嵐田 耕太, 圓川 隆夫, 浜崎 章洋, 鈴木 定省
日本経営工学会論文誌 55(2) 95-103 2004年
本論文は, 企業間SCM構築を阻害している組織制約を打ち破るための簡易ベンチマーク手法として, 汎用のSCMロジスティクススコアカード(LSC)の開発を行いその妥当性, 有用性を検証することを目的とする.そのためにLSCに基づく実際の企業データを収集し, LSCを構成するオペレーションレベルのパフォーマンス及びそのドライバーに相当する5つの因子を抽出した上で, 企業の財務的な経営成果との相関を分析することにより, 因子の得点が高ければ財務的にも優れた成果を出していることを統計的に検証する.同時に経営指標に結びつく因子間の因果モデルを導入し, SCM構築においてITはあくまで手段であることを統計的に実証する.