玉井 昌宏

平均流動の変化を介さない固体粒子と乱流との直接的な相互作用の定量化のために, 粒子を一様に沈降させることにより誘起される乱流場と振動格子乱流との相互作用に関する水理実験ならびに数値計算を実施した. 水理実験により, 従来より指摘されてきた乱流強度の抑制増幅の変調が振動格子乱流場においても生じること, 粒子混入により乱流強度が異方的に変調されることなどが明らかになった. Parthasarathy et al. の理論を基礎として, 直接的相互作用に関わる諸項を誘導した. 同項をレイノルズ応力モデルに導入することにより, 実験結果の傾向を良好に予測した.

記事分類: 建設工学--河海工学--河川・運河 ; 応用流体力学

海域での大規模埋立工事において一般的に採用される底開バージによる土砂直投工において生じる濁りの拡散, 特に投下土砂が水中を鉛直落下する際に誘起する流動場に起因する濁りの拡散過程について水理実験および理論解析により検討する. 土砂直投工をモデル化した実験を実施して, 誘起流動により形成される濁水塊の挙動の概要を示すとともに, 実験結果を基礎とした濁水塊挙動に関する解析モデルを開発する.

ポイントソースから瞬間的に投入された固体粒子群の落下挙動およびそれにより誘起される流動場について水理実験ならびに理論解析により検討した. 粒子群の落下挙動特性が投下条件により個々の粒子の自由沈降挙動が支配的なものから, 周囲水と密度差を有する流体を瞬間的に放出した場合に形成される, いわゆる乱流サーマルに類似したものまで様々に変化することを水理実験により明らかにした. 乱流サーマル理論を拡張することにより, このような落下挙動特性の変遷と誘起流動場の様相を表示し得る解析モデルを提案した.