廣田 音奏, 河鰭 一彦, 浦田 達也, 天野 勝弘
第71回日本体育・スポーツ・健康学会日本体育・スポーツ・健康学会 2021年9月 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
現代日本において、外出時にシューズをはかずに生活をしてる人はほとんどいない。またマラソンなどの長距離競技では、近年ソールにカーボンを入れることで、より高速走法が可能となるシューズが発売され、オリンピックなどで使用可否についても言及されるほど注目されている。しかし、このようなシューズはヒト本来の機能を低下させる可能性があると考えられる。そこで、本研究の目的は、裸足での動作に対して、⾜袋型トレーニングシューズと運動シューズでの歩行動作および走動作とそれぞれ比較することで、⾜袋型トレーニングシューズの特性を定量化することとした。対象者8名に37個の反射マーカーを貼付し、光学式モーションキャプチャーシステム(Venus3D、ノビテック社製)を用いて、歩行動作および走動作における3次元座標値を取得した。実施させた歩行動作(4km/h & 5.5km/h)および走動作(8km/h & 12km/h)は、①はだし条件、②⾜袋型トレーニングシューズ(以下、「足袋トレ」とする)条件、そして③運動シューズ条件の3条件であった。得られた各条件下での3次元座標値を平滑化し(8-12Hz)、a)身体重心座標、b)ステップ長&ピッチ、c)関節およびセグメントの角度・角速度(骨盤、股関節、膝関節および足関節)を算出した。右脚の接地から次の接地までを1歩とし、2歩分のデータを正規化後、加算平均した。その結果、走動作(8km/h & 12km/h)のはだし条件に対して、足袋トレでは足関節の底背屈運動の可動範囲が有意に大きくなった。しかし、はだし条件に対する運動シューズ条件では、骨盤の角度に違いは見られなかったが、下肢関節角度で違いが見られ、角速度も違いが見られた。これらのことから、運動シューズでの動きは、はだしと違う部分が多かったが、足袋トレでの動きは、はだしと似た特徴が多かった。他の詳細な結果は、当日発表します。