窪 誠

国際法の基本構造自体が、マイノリティ・先住民族問題を法的にどのように規定してきたのかを、歴史的も明らかにする。

Since Japan's ratification of the International Covenant of Civil and Political Rights in 1979, the Japanese government has submitted six state reports explaining the human rights situation in Japan. On all occasions the United Nations Human Rights Committee questioned the concept of "public welfare" contained in the Japanese Constitution, suggesting it allowed for a general restriction on human rights in the Constitution. This article clarifies the different viewpoints between the Japanese government and the UNHR Committee as they are found through an analysis of the state reports and the dialogue held between the two parties.Since Japan's ratification of the International Covenant of Civil and Political Rights in 1979, the Japanese government has submitted six state reports explaining the human rights situation in Japan. On all occasions the United Nations Human Rights Committee questioned the concept of "public welfare" contained in the Japanese Constitution, suggesting it allowed for a general restriction on human rights in the Constitution. This article clarifies the different viewpoints between the Japanese government and the UNHR Committee as they are found through an analysis of the state reports and the dialogue held between the two parties.

1993 Vienna World Conference on Human Rights flared enormous debate about the universality of human rights. While much of them have been debated from philosophical or sociological point of view, this article analyses legal character of the debate engaged under the United Nations up to the Conference, which reveals its political character rather than legal, resulting in hindering universal progress of human rights.

国際人権法における外国人の権利の進展を検討する。

アジアのマイノリティに関する国際人権法の従来の通説を批判し、新たな視点を提示する。

「箕面市人権意識調査」結果の検討。

バングラデッシュ女性の権利と差別状況、ならびに、その改善のための課題を検討する。

国際社会とりわけ欧州社会の進展の中で、個人のアイデンティティとしてのマイノリティという考え方がどのように発展してきたかを検証する。

現在国会審議継続中の人権擁護法案を、法案が想定している制度設計の理念を中心に検討する。

現在国会で継続審議中の人権擁護法案をめぐる政治的・社会的状況を検討する。

法務省が設置を予定している人権救済機関の検討。

ヨーロッパ社会憲章は、社会権分野におけるヨーロッパの人権条約である。その近年の発展と意義を検討する。

アリストテレスの存在論が中世スコラ哲学を経て、近代「人民」「民族」概念の形成を促す過程を、西欧の社会経済的文脈の中で論証する。19世紀、これらの概念が国際社会の中で適用されることにより、近代国際法の発展を促し、20世紀、国際連盟少数民族保護制度の成立に至る。1990年以降、国連や欧州諸機関において「少数民族」概念への新たなアプローチが形成されつつある。

東西冷戦構造の崩壊後、民族問題は再び国際政治の重要課題になった。欧州においては、この問題をめぐる政治的へゲモニー争いが、国家間だけでなく、欧州安全保障協力機構、欧州審議会、欧州連合を巻き込んで展開された。欧州の経験を教訓にして、アジアにおける日本の貢献の可能性も併せて検討する。

憲法第9条とＰＫＯ参加による国際貢献という一見矛盾するふたつの要請の中で、日本政府は独自の政策を模索する。それは決して場当たり的なものではなく、戦後の歴史の中で一貫した姿勢に基づくものであることを明らかにする。

ノーベル平和賞受賞者ルネ・カサンが設立したこの研究所夏期講座の講義概要報告。

少数者（少数民族）の国際的保護制度は国際連盟を起源とする。しかし、少数者の定義についての法的議論が開始されたのは、第二次世界大戦後設立された国際連合の下であった。本条の制定及び実施過程を検討することにより、定義の議論をめぐる国家、国連諸機関の政策的意図を明らかにする。

西欧諸国間の政治的協力機構として、欧州審議会は幅広い活動分野を持つ。ところが、日本においては、資料不足のため、人権条約以外の分野についてはあまり知られていない。このギャップを補うべく、その活動分野別に資料の入手方法を解説する。