2016年度研究報告大会 報告論文(要旨)集 54-55 2016年5月 査読有り
2011年の東日本大震災と福島原発事故以降、FITの導入、小売電力の全面自由化など、政策面で再生可能エネルギーの導入が進められてきた。その中でも、自然条件に左右されず、地域資源を利用したバイオマス発電は、森林で発生する間伐材のほか、建築廃材や生ごみ、下水などの廃棄物を燃料に利用して作られる地域分散型エネルギーとして、①資源の有効利用、②森林整備の促進、③カーボンニュートラル(地球温暖化対策)、のほか、④雇用創出、⑤エネルギーの地産地消、⑥環境啓発、等により、今後拡大が期待されている。
本研究では、大東市龍間地域および奈良県吉野地域にほぼ同時期に操業開始した木質バイオマス発電所の燃料調達や発電状況の調査を通じて、都市近郊におけるバイオマス発電事業の現状と課題を整理するとともに、自治体が新電力事業者として電力の地産地消を推進する可能性についてまとめている。