水上 賢一, 折井 祐介, 常盤 欣一朗, 山崎 高弘
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 106(516) 25-29 2007年1月23日
本稿では,単一クラスタ誤りだけではなく二重クラスタ誤りも訂正することができる新しい2次元線形符号(これを二重クラスタ誤り訂正符号と呼ぶ)を構成するための基礎的な検討を行う.まず,符号化効率を評価するための一つの指標を与えるために,二重クラスタ誤り訂正符号に対する検査点数の下界を導出する.そして,効率の良い単一クラスタ誤り訂正符号を構成することができるSchwartz-Etzion構成法の考え方に基づいたいくつかの2次元線形符号を考え,二重クラスタ誤りに対してそれらの符号が有する訂正能力を計算機を用いて評価する.その結果,ある程度良好な訂正能力を有する符号が存在することを明らかにする.