宮本 忠吉
日本ディサースリア臨床研究会 2020年12月
近年,臨床医学の分野においては運動負荷試験が果たす重要性が増している.一方,運動負荷時に呼吸循環反応の異常が発現する病態メカニズムや運動療法が病態改善に及ぼす効果については,未だ不明な点が多い.本総説では,心肺運動負荷試験中の呼吸循環反応のダイナミズムの観察を通じて,細胞呼吸(内呼吸)と肺呼吸(外呼吸)とが連関するガス輸送のメカニズムや,心血管系や換気応答の強さ,時間的経過を決定する因子,また運動という代謝性のストレスに対する呼吸循環系の総合的な機能や病態重症度を客観的に評価する方法論について解説した.(著者抄録)