玉野富雄, 金岡正信, 西形達明, 西田一彦
地盤工学会地盤工学ジャーナル 9(4) 619-632 2014年
本研究では,近世城郭石垣や石橋に代表される石造構造物の力学安定性を評価するための工学指標として,外力一定条件下での単位石温度変化に対するひずみ変化の関係である「温度−ひずみ係数」について示した。計測事例として,2か所の近世城郭石垣および1か所のアーチ型式石橋を取り上げた。2か所の近世城郭石垣においては,石垣の変形状態を数値化した「石垣はらみ出し指数」と「温度−ひずみ係数」の関連性について考察した。あわせて,これらの計測事例が,今後の近世城郭石垣の力学安定を評価する際の参考とできることを示した。