玄野 博行
繊維製品消費科学 53(12) 8-13 2012年12月 査読有り
<p>近年,わが国において,持続可能な発展や商品の安全安心ニーズの高まりなど,社会が抱える諸問題の解決を求める動きに呼応して,企業の社会的責任(以下CSR: Corporate Social Responsibility)に対する関心が高まっている.このようなCSRをよりいっそう浸透させるには,独自のCSR活動に取り組むことで,企業にとって何らかの社会的評価が形成される必要がある.そこで,本稿では,CSR活動における具体的な取り組みに関する概念化として,CSR活動におけるプラットフォーム概念の適用性について考察した.その中でまずプラットフォームという概念がどのような研究分野において注目されてきたかについて言及し,それを踏まえた研究展開について見ていくことにより,CSR活動におけるプラットフォーム概念の適用性について論じている.そして,CSR活動におけるプラットフォームの事例に着目し,その有用性について考察している.その結果,CSR活動に関してどのようなプラットフォーム概念を適用するとより有効なものとなるのかが明らかになった.</p>