言語の選択:
大阪産業大学研究者データベース

  研究者データベース

 Researcher Database
 

国際学科

研究者リスト >> 田口 まゆみ
 

田口 まゆみ

 
アバター
研究者氏名田口 まゆみ
 
タグチ マユミ
URL
所属大阪産業大学
部署国際学部国際学科
職名教授
学位PhD(Keio University), 博士(文学)(慶應義塾大学), Master of Arts(Osaka University), 文学修士(大阪大学)
科研費研究者番号30216832
J-Global ID200901059908716240

研究分野

 
  • 人文・社会 / 英文学、英語圏文学 / 

経歴

 
1999年4月
   
 
教授   
 
1992年4月
 - 
1999年3月
助教授   
 
1989年4月
 - 
1992年3月
講師   
 

学歴

 
 
 - 
1983年
大阪大学 文学研究科 英文学
 
1977年10月
 - 
1978年6月
英国ブリストル大学 人文学部 英文学科
 
 
 - 
1977年
奈良女子大学 文学部 英語英米文学
 

委員歴

 
2020年12月
   
 
Middle English Texts Series  Advisory Board
 
2014年
 - 
2017年
日本英文学会  大会準備委員
 
2015年
 - 
2016年
日本中世英語英文学会  監事
 
2008年
 - 
2013年
日本中世英語英文学会  大会準備委員長,編集委員,評議員、研究助成委員
 
2000年
 - 
2006年
日本中世英語英文学会  大会準備委員長,編集委員,評議員、研究助成委員
 

論文

 
 
田口まゆみ   
Notes & Queries   62(3) 364-372   2015年9月   [査読有り]
ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館所蔵、写本2125およびケンブリッジ大学図書館、写本 Ff.vi.33 に収録されているイエスと聖母の短い会話は、最後の晩餐の前日、聖母から死を目前にしたイエスへの4つの嘆願を扱っている。本稿は、その原典についての情報が誤りであり、偽ボナヴェンチュラ作『キリストの生涯の黙想』に影響を受けた仏語贋作『イザベル王妃のために書かれた受難物語』(通称)のうち「聖母の4つの願い」と呼ばれる部分の訳であることを明らかにした上で、仏語原典...
 
Postmedieval: a journal of medieval cultural studies, 3.3, “Cognitive Alterities/ Neuromedievalism”   3(3) 315-327   2012年9月   [査読有り][招待有り]
中世後期ヨーロッパでは、特にキリストの生涯について、言わば映像化するように現実的な想像をし、その想像世界に自分自身も置いてキリストと聖母と場面を共有し、共感するという「参加型情動的黙想 (participatory affective meditation)」が神秘主義者の間で過激化したのみならず、一般信徒にも広く流行した。この方法は一般信徒が私的な空間で実行することができたので、信仰、そして精神の自立につながり、近代における自我の形成に役立ったと言われている。本稿は「キリストを真似る」と...
 
Mediaeval Studies   67 157-217   2005年   [査読有り]
ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館蔵写本2125に収録されている宗教文献の学術的校訂版である。写本の説明・分析、作品のスタイル、典拠、作者・読者等についてのイントロダクションと注釈・語注を付した。
掲載誌Mediaeval StudiesはToronto大学Pontifical Instituteの出す学術雑誌であるが、学術校訂論文はラテン語文献に限られていた。本稿は初めてMedieaeval Studiesが掲載した英語文献の本文校訂論文である。
本テキス...
 
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編   98(98) 27-46   1999年   
現在に伝わっている中世古写本の性質、内容について紹介し、その上で未だに一般研究者にはアクセスの乏しい状況で残っているマイナーな文献に関し、特に宗教文献が当時の民衆の精神史を反映していること、あるいは大衆の精神文化を作り上げていたことを示しているということを論じた。キリスト教に色濃く染まっていた中世についてのいかなる研究も、こうした民衆レベルの教化運動を伝えるマイナーな宗教文献を軽視してはならないと言える。
 
Reading Medieval Studies   24 95-112   1998年   [査読有り]
1215年のラテラノ公会議で万人に年1回の告解が義務づけられたのをきっかけに、全ヨーロッパ的に民衆とその教化にあたるべき教会関係者の大々的な教育が行われ、多くの宗教文献が書かれた。本稿では、文学作品との比較により、これに固有と思われてきた複数のモチーフや比喩が実は一般信徒を対照として書かれた宗教文献に見出されることを指摘し、文学研究においてもその土壌となった文化的背景を正しく知ることが重要であることを述べた。

MISC

 
 
大阪産業大学論集 人文科学編第89号   89 17-28   1996年5月   
キリストの磔刑に使われた木を原罪をもたらした木とつなげる十字架伝説は、多くの聖人伝などと共に中世ヨーロッパ全域で広く愛され、ラテン語で流布した他、各国言語に翻訳され、転写が繰り返された。中世英国においては、ラテン語版の他に、フランス語版と英語版があり、英語版の存在は読者、聴衆の層の広さを示している。翻訳・転写が繰り返される過程で当然テキストの異同が生じ、多くのヴァージョンが生まれたが、本稿では、直系でつながる英・仏・ラテン版を詳細に比較し、その違いに現れた聴衆の差違を考察した。
 
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編   87(87) 1-16   1996年   
Gawain詩人による宗教詩『清純』(Cleanness)は、たくさんの物語、エピソードから構成されているが、その組み合わせ、展開の必然性が明白でなく、主題との関連も希薄であると批判されてきた。本稿ではそのような一般的見解に対し、一見散漫な物語群が実は一貫した主題のもとに緻密に組み立てられており、あたかも1個の建築物の骨組みを組むように構成されていること、しかも、円環、ジグザグなど視覚的な骨組みを追求していることを論じた。
 
大阪産業大学論集 人文科学編   (84) 31-40   1995年   
社会派英国女流作家Miranda Miller(1950~)の作品、 Smiles and the Millenniumについて、主題の解釈に加え、ストーリーの手法の分析を行った。ミラーの手法は、余分な背景を削ぎ落とした、一貫した描写のsimplicityとeconomy にあると言える。特に、舞台の場面転換に似たエピソード展開、舞台道具を想起させる背景描写、主人公を含む登場人物が発話内容によって区別されること、季節や時間が希薄であることなどの手法に着目し、この作品の演劇との類似を指摘し、...
 
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編   (83) 61-64   1994年   
名文家として名高いジョージ・オーウェルは、言語について明確な論理・主張を持っており、これを扱ったエッセイもある。一方、彼の代表作『1984年』の中で、人民のマインドコントロールの道具として描かれている新言語‘Newspeak’も彼の言語意識の現れである。オーウェルは、‘Newspeak’によって、この新言語の象徴する思想の弾圧、強制を批判しているわけだが、皮肉にも、この新言語‘Newspeak’が、本質的に、オーウェルが理想とする言語思想を投影している点を指摘している。
 
大阪産業大学論集 人文科学編   (82) 79-91   1994年   
中世英詩『清純』(1993)の校訂版への補遺として、特に、解釈上難解な語や文、複数の研究者の間で解釈が異なっている個所、写本の読みについて意見が一致していない個所等について、編者の見解をはっきり表すべく、その根拠とともに示し、詳しく述べている。一例をあげると、’gere (gear)’ (l. 16) について、従来のaffairsに対しclothesという解釈を示している。理由として、この語の前後に衣服の汚れと罪を関連付ける象徴が使われていること、さらに衣服の象徴は物語を通して重要な役割...

書籍等出版物

 
 
Mayumi Taguchi, John Scahill, Satoko Tokunaga(担当:共著, 範囲:全体)
Oxford University Press   2021年7月22日   (ISBN:9780192847676)
This is volume II of the first scholarly edition of the Golden Legend, the largest and most elaborate production of the first printer in English, William Caxton.
This second volume contains Caxton's most notable addition: a series of Old Testame...
 
ジェフリー・チョーサー, 監訳, 池上忠弘(担当:共訳, 範囲:律修参事会員の召使いの話)
悠書館   2021年7月15日   
英詩の父と称されるジェフリー・チョーサーの韻文物語集『カンタベリ物語』は中世英文学を代表する一大傑作である。日本語でもこれまで十指に余る翻訳が出版されてきた。本新訳は、原作の構成に似せて、さながら巡礼一行のごとく総勢二四名の日本中世英文学の学徒がこの計画に参加し、訳業を完成させた。
 
Mayumi Taguchi, John Scahill, Satoko Tokunaga(担当:共著, 範囲:全体)
Oxford University Press   2020年7月30日   (ISBN:9780198867968)
This is volume I of the first scholarly edition of the Golden Legend, the largest and most elaborate production of the first printer in English, William Caxton. It is an English translation of Jacobus de Voragine's Legenda aurea (ca. 1267), a coll...
 
田口まゆみ, 家入葉子(担当:共著, 範囲:言語的解説を除く全体)
Heidelberg: Universitaetsverlag Winter   2019年5月   
This Middle English prose survives uniquely in Cambridge, Magdalene College, MS Pepys 2125 and has not been previously published. It is one of several Middle English translations of the Passion sequence of the pseudo-Bonaventura Latin _Meditatione...
 
田口まゆみ(担当:分担執筆, 範囲:“The Use of Sources in The Historye of the Patriarks and Caxton’s Golden Legend”)
Turnhout: Brepols   2018年2月   (ISBN:9782503568478)   
中世末期の英文学作品はその多くがラテン語、フランス語の作品の翻訳・翻案である。さらに、中世の作家たちは、複数の作品の訳を統合して一つの作品に作り上げたし、一つの原典作品に対しても複数の言語によるヴァージョンを比較しつつ翻訳を行った。よく認知されていないこの事実を、聖書物語を扱った二つの作品について詳細に解説・証明し、さらに俗語聖書が禁じられていた15世紀イギリスの文化的背景に照らし合わせて論じた

講演・口頭発表等

 
 
ジャネット・バートン   マーガレット・コノリー   ウィリアム・マークス   
「キャクストン版『黄金伝説』の校訂版作成:第1巻及び第2巻」企画 国際シンポジウム 第二部:講演会   2019年12月8日   科研基盤研究(B)(研究代表者:大阪産業大学 田口まゆみ) 京都大学 共催   [招待有り]
海外から3名の編集文献学者(textual scholars)を招聘し写本・揺籃期本テキストを校訂するプロセスについて、またそれを使って研究することについて講演会を開いた。講演の詳細は英文の通り
 
田口まゆみ   合司会)ジョン・スカヒル(討論司会   パネリスト   小野祥子   ジャネット・バートン   大野英志   マーガレット・コノリー   家入葉子   ウィリアム・マークス   徳永聡子   池上惠子   中尾佳行   地村彰之   
日本中世英語英文学会 第35回全国大会   2019年11月30日   日本中世英語英文学会   [招待有り]
Project “Editing Caxton’s Golden Legend, vols 1 & 2” (Grant-in-Aid for Scientific Research (B) 15H03190) hosted an international symposium on editing medieval texts, inviting three Japan-based editorial teams (Ancrene Wisse, Canterbury Tales, Medi...
 
田口 まゆみ   
Early Book Society Sixteenth Biennial Conference   2019年7月8日   Early Book Society   
本研究発表ではCaxtonが翻訳・印刷した『黄金伝説』の現存本において初刷と2刷が混製本されていることについて、その理由を考察し、英訳聖書の作成・出版が15世紀英国で禁止されていたことと関連づけて仮説を立てた。それはCaxtonが『黄金伝説』に付け加えた旧約聖書物語が聖書の忠実な新訳を含む事実を懸念してのことではなかったのか。決定的な証拠は残っていないながら、当時の聖書物語の需要および受容について類似の文献(研究員が校訂したHistorye of the Patriarks他)の例と比較し...
 
田口まゆみ   徳永聡子   
The New Chaucer Society 2018 Congress   2018年7月12日   The New Chaucer Society   
初期刊行本を写字する作業からその作品について、また当時の印刷の実際について学ぶことができることについて、現在準備中のCaxton作、印刷、『黄金伝説』の場合に見られる印刷の揺れを材料にして論じた
 
田口まゆみ   徳永聡子   
Twenty-First Biennial International Congress of the New Chaucer Society   2018年7月12日   New Chaucer Society   
Early English Text Societyからの出版を目指してCaxton訳・印刷_Golden Legend_の校訂版を準備中であるが、この研究過程で明らかになった初期刊行物の研究課題を提示した。

所属学協会

 
 
   
 
The Hagiography Society
 
   
 
Early Book Sicety
 
   
 
日本中世英語英文学会

共同研究・競争的資金等の研究課題

 
 
研究期間: 2015年4月 - 2020年3月
 
 
 
研究期間: 2002年 - 2004年

その他

 
 
2020年12月 - 2020年12月
Advisory Board of the Middle English Texts series
 

研究テーマ