国際学科
研究者氏名 田口 まゆみ
タグチ マユミ URL 所属 大阪産業大学 部署 国際学部国際学科 職名 教授 学位 PhD(Keio University), 博士(文学)(慶應義塾大学), Master of Arts(Osaka University), 文学修士(大阪大学) 科研費研究者番号 30216832 J-Global ID 200901059908716240
学歴
1977年10月
-
1978年6月
英国ブリストル大学 人文学部 英文学科
委員歴
2020年12月
Middle English Texts Series Advisory Board
2014年
-
2017年
日本英文学会 大会準備委員
2015年
-
2016年
日本中世英語英文学会 監事
2008年
-
2013年
日本中世英語英文学会 大会準備委員長,編集委員,評議員、研究助成委員
2000年
-
2006年
日本中世英語英文学会 大会準備委員長,編集委員,評議員、研究助成委員
論文
田口まゆみ   
Notes & Queries 62(3) 364-372 2015年9月 [査読有り]
ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館所蔵、写本2125およびケンブリッジ大学図書館、写本 Ff.vi.33 に収録されているイエスと聖母の短い会話は、最後の晩餐の前日、聖母から死を目前にしたイエスへの4つの嘆願を扱っている。本稿は、その原典についての情報が誤りであり、偽ボナヴェンチュラ作『キリストの生涯の黙想』に影響を受けた仏語贋作『イザベル王妃のために書かれた受難物語』(通称)のうち「聖母の4つの願い」と呼ばれる部分の訳であることを明らかにした上で、仏語原典...
Postmedieval: a journal of medieval cultural studies, 3.3, “Cognitive Alterities/ Neuromedievalism” 3(3) 315-327 2012年9月 [査読有り][招待有り]
中世後期ヨーロッパでは、特にキリストの生涯について、言わば映像化するように現実的な想像をし、その想像世界に自分自身も置いてキリストと聖母と場面を共有し、共感するという「参加型情動的黙想 (participatory affective meditation)」が神秘主義者の間で過激化したのみならず、一般信徒にも広く流行した。この方法は一般信徒が私的な空間で実行することができたので、信仰、そして精神の自立につながり、近代における自我の形成に役立ったと言われている。本稿は「キリストを真似る」と...
Mediaeval Studies 67 157-217 2005年 [査読有り]
ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館蔵写本2125に収録されている宗教文献の学術的校訂版である。写本の説明・分析、作品のスタイル、典拠、作者・読者等についてのイントロダクションと注釈・語注を付した。
掲載誌Mediaeval StudiesはToronto大学Pontifical Instituteの出す学術雑誌であるが、学術校訂論文はラテン語文献に限られていた。本稿は初めてMedieaeval Studiesが掲載した英語文献の本文校訂論文である。
本テキス...
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編 98(98) 27-46 1999年
現在に伝わっている中世古写本の性質、内容について紹介し、その上で未だに一般研究者にはアクセスの乏しい状況で残っているマイナーな文献に関し、特に宗教文献が当時の民衆の精神史を反映していること、あるいは大衆の精神文化を作り上げていたことを示しているということを論じた。キリスト教に色濃く染まっていた中世についてのいかなる研究も、こうした民衆レベルの教化運動を伝えるマイナーな宗教文献を軽視してはならないと言える。
Reading Medieval Studies 24 95-112 1998年 [査読有り]
1215年のラテラノ公会議で万人に年1回の告解が義務づけられたのをきっかけに、全ヨーロッパ的に民衆とその教化にあたるべき教会関係者の大々的な教育が行われ、多くの宗教文献が書かれた。本稿では、文学作品との比較により、これに固有と思われてきた複数のモチーフや比喩が実は一般信徒を対照として書かれた宗教文献に見出されることを指摘し、文学研究においてもその土壌となった文化的背景を正しく知ることが重要であることを述べた。
MISC
Studies in Medieval English Language and Literature No. 23(pp. 77-84) 2008年
編者Paul Strohmは、これまで顧みられなかった作品にも光をあて、未開拓の、あるいは議論が熟していない領域に踏み込むことを目的とし、執筆陣もあえて斬新で自由な発想を持つ研究者を集めた。研究対象、批評理論、研究者のオーソリティ、キャノンの問題点や限界に切り込みを入れる大胆さ、新しい視点、新進の研究者を起用する柔軟な姿勢が全編を貫いている。全編を通じて様々なアングルから繰り返される主張の大前提は写本であり、中世文化の「流動性」である。
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編 116 279-93 2005年6月
大阪産業大学論集 人文科学編 115 109-28 2005年2月
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編 114 135-61 2004年10月
田口 まゆみ   
大阪産業大学論集 人文科学編 113 201-217 2004年6月
書籍等出版物
Mayumi Taguchi, John Scahill, Satoko Tokunaga(担当:共著, 範囲:全体)
Oxford University Press 2021年7月22日 (ISBN:9780192847676)
This is volume II of the first scholarly edition of the Golden Legend, the largest and most elaborate production of the first printer in English, William Caxton.
This second volume contains Caxton's most notable addition: a series of Old Testame...
ジェフリー・チョーサー, 監訳, 池上忠弘(担当:共訳, 範囲:律修参事会員の召使いの話)
悠書館 2021年7月15日
英詩の父と称されるジェフリー・チョーサーの韻文物語集『カンタベリ物語』は中世英文学を代表する一大傑作である。日本語でもこれまで十指に余る翻訳が出版されてきた。本新訳は、原作の構成に似せて、さながら巡礼一行のごとく総勢二四名の日本中世英文学の学徒がこの計画に参加し、訳業を完成させた。
Mayumi Taguchi, John Scahill, Satoko Tokunaga(担当:共著, 範囲:全体)
Oxford University Press 2020年7月30日 (ISBN:9780198867968)
This is volume I of the first scholarly edition of the Golden Legend, the largest and most elaborate production of the first printer in English, William Caxton. It is an English translation of Jacobus de Voragine's Legenda aurea (ca. 1267), a coll...
田口まゆみ, 家入葉子(担当:共著, 範囲:言語的解説を除く全体)
Heidelberg: Universitaetsverlag Winter 2019年5月
This Middle English prose survives uniquely in Cambridge, Magdalene College, MS Pepys 2125 and has not been previously published. It is one of several Middle English translations of the Passion sequence of the pseudo-Bonaventura Latin _Meditatione...
田口まゆみ(担当:分担執筆, 範囲:“The Use of Sources in The Historye of the Patriarks and Caxton’s Golden Legend”)
Turnhout: Brepols 2018年2月 (ISBN:9782503568478)
中世末期の英文学作品はその多くがラテン語、フランス語の作品の翻訳・翻案である。さらに、中世の作家たちは、複数の作品の訳を統合して一つの作品に作り上げたし、一つの原典作品に対しても複数の言語によるヴァージョンを比較しつつ翻訳を行った。よく認知されていないこの事実を、聖書物語を扱った二つの作品について詳細に解説・証明し、さらに俗語聖書が禁じられていた15世紀イギリスの文化的背景に照らし合わせて論じた
講演・口頭発表等
田口まゆみ   徳永聡子   
日本中世英語英文学会第30回大会(12月6日、同志社大学) 2014年12月6日
田口まゆみ   徳永聡子   
IES-Keio Joint International Conference “Old and Middle English Studies: Texts and Sources" 2014年9月5日
田口まゆみ   
リーズ 国際中世学会 2014 2014年7月9日
田口まゆみ   
中世翻訳学会 2013年7月11日
田口まゆみ   
日本中世英語英文学会 第28回大会 2012年12月1日
その他
Advisory Board of the Middle English Texts series
研究テーマ
研究テーマ
14・15世紀の宗教文学と一般信徒の信仰:写本文献の伝播と変容に基づく研究
キーワード
西欧中世、宗教文献、敬虔主義、写本研究、初期印刷本
概要
主に15世紀の写本文献を中心に、同じ写本に収録された文献の種類と配列順序なども合わせて考察することにより、当該の文献や写本の受容者像を考察する。ヨーロッパ全域の文化的背景も考慮する。
研究期間(開始)
2012/04/01
研究期間(終了)
2015/03/31
研究テーマ
ウィリアム・キャクストン訳『黄金伝説』に挿入された聖書訳
キーワード
15世紀、英国、聖書、黄金伝説、キャクストン、初期刊行本
概要
ウィリアム・キャクストン訳『黄金伝説』に挿入された聖書訳の典拠研究。また、15世紀後半の英訳聖書の受容について考察する。校訂本を計画中。
研究期間(開始)
2013/03/01
研究テーマ
ピープス図書館写本2125番に関する研究
キーワード
写本、15世紀、校訂、宗教文献、コンピレーション
概要
後期中世の宗教文献コンピレーション写本の中でも特に特異なヴァージョンを多く収録するこの写本の内容と特徴を詳細に述べ、15世紀英国の宗教文化の特性について考察する。この写本中の未刊行の文献を校訂・出版する。
研究期間(開始)
1994/03/01
研究テーマ
後期中世英国における宗教文献の伝播について
キーワード
写本研究,宗教,中世イギリス
概要
後期中世英国、特に14-15世紀における宗教文献の伝播について、 写本研究を通して考察を加える。
研究期間(開始)
1995/04/01
研究テーマ
ニコラス・ラヴ『イエス・キリストの生涯の生涯の黙想』
キーワード
15世紀、聖書、黙想、キリストの生涯、ウィクリフ、ロラード
概要
聖書の英訳が禁止されていた15世紀英国における同書の目的、影響などを考察する。邦文訳も進行中である。
研究期間(開始)
2004/01/01
研究期間(終了)
2010/12/31