これまで復元図化してきた18世紀初頭から今日に至る八つの時代の状況を表す地割組織図のうち、19世紀末と20世紀初頭の図を比較すると、本稿で着目するレオミュール通り(rue Réaumur)の開設が都市組織の変遷として特筆される。この街路開設に際して、ファサードコンクール(Concours des Façade)という当時のパリの都市計画思潮を象徴する試みがパリ市によって初めて実施された。本稿では、その時代背景を整理し、そのコンクールの果たした役割を都市組織との関...