高橋 徹, 能勢 和夫, 塚本 直幸, 吉川 耕司
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 114(357) 57-62 2014年12月11日
本稿では,GPSを用いた路面電車の位置を通知するシステムの開発と評価について述べ,設計思想を示す.最も重要な設計思想は,容易に入手可能な汎用品を用いてシステムを構成する点である.何故ならば,バスやタクシーや電車のような他の交通機関への導入が推進されることを狙っているためである.本コンセプトに基づくプロトタイプシステムを開発し,阪堺電気軌道で試験サービスを実施し評価した.位置情報を地図上に表す時の測位値をそのまま地図上に表示する替わりに,推定誤差軽減のためマップマチングアルゴリズムを用いて補正した.またマップマッチングアルゴリズムに用いるアンカーポイント間の間隔について評価している.以上の評価に基づきシステムをチューニングした結果,最大誤差で100mで,情報表示までの遅延を3秒程度に抑えることができた.