藤岡 芳郎

本報告はマーケティングの北欧学派が提唱するサービス・ロジックからのアプローチを採用する。サービス・ロジックは顧客の生活領域からマーケティング活動を捉えることの重要性を提示した。地域の課題解決を目指すソーシャル・ビジネスの考察にはサービス・ロジックの価値共創の概念が向いていると考えて調査を実施した。本報告の課題はフレームワークをとおして生活者の視点から、NPOと大企業のパイロットスタディを実施して導出した知見を提示することである。

サービスのロジックで歯科医院の戦略を考察した。そして、歯科医院の新しい戦略策定にはサービスのロジックは効果的であることを導出した。これまでの研究から価値共創型企業システムを編成して実行するための基本概念が導出できた

ソーシャル・ビジネスの組織運営について、マーケティング研究の価値共創の視点で先行研究をレビューした。そして、事例研究のために用いるフレームワークを設定した。

サービスの価値共創の視点から新しい小売マーケティングの概念化を試みた。価値共創概念を整理した上で、サービスの価値共創の概念で小売業を考察すると強化すべき売場での展開方法が導出できることを帰納的に導出した。

これまでのグッズを中心とした視点で構築されてきた標準化ー適応化のフレームワークに代わる新しい見方をサービスの視点から導出した。日本企業のASEAN進出にはサービスの視点からのマーケティング戦略が重要であることを仮説生成することを試みた。

グッズを大量生産して大量流通させる視点からのマーケティング研究を売場を中心に顧客との相互作用から捉え直すための理論研究 サービスのロジックで小売マーケティングの先行研究を捉え直して新しい視座の導出を目指すための理論研究である。

価値共創の戦略を掲げて実行する企業の組織運営について考察して機能的にリーダーシップや組織運営の方法を導出した。 個人と組織、組織と企業全体の相互作用を促進することで理念を実現する新たな運営手法を見出した。

価値共創型企業システムは「企業と顧客の相互作用］と「相互作用を通した価値創造へ向けての組織運営］の二つの視点から考察できる。本稿は企業が顧客起点でおこなう組織運営の方法の構築を目指して概念化を進展させることを目指す理論研究である。

サービス・ドミナント・ロジックにもとづき価値共創型企業システムの概念化を発展させるための考察をおこなった。重要な概念である「価値共創」と「文脈価値」について理論的検討をおこなった。

共同研究で実施した多数のケーススタディから価値共創型企業システムの主要概念を帰納的に導出した。そして、これからの理論化、精緻化へ向けてのフレームワークを構築した。

本稿では,価値共創型企業システムの概念化,理論化へ向けて精緻化を目指すために多くの事例にもとづき考察をおこなった。ここでは,プロジェクト研究のために設定したフレームワークにもとづき事例研究を中心に検討した。最初に価値共創型企業システムの定義をおこない全体図を提示した後に,その概念化を試みる。そして文脈価値について具体的な事例をもとに考察するためのフレームワークを設定する。フレームワークにもとづき事例を考察した後で,最後に,価値共創型企業システムの実行へ向けての課題を提示する。