酒井博章
名古屋市立大学経済学会オイコノミカ 42(1) pp.1-13(14頁) 2005年9月
本研究では、新製品普及モデルの1つであるBassモデルの係数を使って算出される顧客カテゴリーの分割時点により分類される顧客カテゴリーが、ロジャースらの主張するような古典的な普及理論に基づく行動的側面や性格的特性を持つかを検証した。分析方法は5件法のアンケートに基づいた因子分析で、携帯電話、ADSL、MDプレイヤーの利用者を対象として行った。Bassモデルの係数算出には(社)電子情報技術産業協会と総務省が発行するデータを利用して行った。分析結果よりマジョリティ顧客の性質を持つカテゴリーは正確に分類され、新製品投入後の適切な時点を境目として、マジョリティ顧客に向けたマーケティング戦略を行えることが検証された。