チョン ゼッシン, 藤長 愛一郎, 尾崎 博明, 谷口 省吾, 西村 文武, 日高 平
平成29年度土木学会 関西支部年次講演集 2017年5月27日 土木学会 関西支部
排水中の有機物から電気を得る技術として,微生物燃料電池(MFC)が注目されている1).しかし,水溶液によるMFCは発電が不安定であるという問題がある.その問題を解決する方法として,MFCに導電物質の粉末グラファイトを加える方法が報告されている2).本研究では赤玉土に粉末や粒状グラファイトを加えて,発電力の向上効果を実験により検討する.
本研究では,電圧は粉末グラファイト添加MFCが0.2V程度で粒状より2倍程大きかった.その理由は,粉末グラファイトは土壌の表面を覆い,導電性が良くなったためと考えられる.一方,吸着係数は粒状グラファイトが0.62 L/kgで,粉末より大きいが,赤玉土よりは小さかった.また,内部抵抗は,粒状グラファイトを添加した方が赤玉土のみより小さくなったが,電圧はあまり上がらなかった.このことより,土壌MFCに導電物質としてグラファイトを添加する際は,粒径0.045mmの粉末の方が発電効果が高いといえる.