Curriculum Vitaes

Mayumi Taguchi

  (田口 まゆみ)

Profile Information

Affiliation
Professor, Faculty of International Studies, Department of International Studies, Osaka Sangyo University
Degree
PhD(Keio University)
博士(文学)(慶應義塾大学)
Master of Arts(Osaka University)
文学修士(大阪大学)

Researcher number
30216832
J-GLOBAL ID
200901059908716240
researchmap Member ID
1000107804

Research History

 3

Papers

 11
  • Mayumi Taguchi
    NOTES AND QUERIES, 62(3) 364-372, Sep, 2015  Peer-reviewed
    ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館所蔵、写本2125およびケンブリッジ大学図書館、写本 Ff.vi.33 に収録されているイエスと聖母の短い会話は、最後の晩餐の前日、聖母から死を目前にしたイエスへの4つの嘆願を扱っている。本稿は、その原典についての情報が誤りであり、偽ボナヴェンチュラ作『キリストの生涯の黙想』に影響を受けた仏語贋作『イザベル王妃のために書かれた受難物語』(通称)のうち「聖母の4つの願い」と呼ばれる部分の訳であることを明らかにした上で、仏語原典とラテン語原材、また英訳との差異について文献学的に解説し、さらに本作品に表れているマリア信仰の特徴を分析した。
  • Mayumi Taguchi
    Postmedieval, 3(3) 315-327, Sep, 2012  Peer-reviewedInvited
    This article considers the reasons for the wide popularity of late medieval Gospel meditations, such as the Imitatio Christi topos, which instruct the meditator to create visual narratives within the mind. The mechanism of this kind of participatory and affective devotionalism is rooted in neurobiological functions that automatically coordinate body and mind in accordance with the information about the surrounding world obtained through mirroring (the mirror neuron system). These late medieval Gospel meditations may be rightly considered as a good meme-complex (a group of mutually reinforcing memes). The cognitive mechanism of such spirituality resembles contemporary computer-based virtual simulation. © 2012 Macmillan Publishers Ltd.
  • Mediaeval Studies, 67 157-217, 2005  Peer-reviewed
    ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館蔵写本2125に収録されている宗教文献の学術的校訂版である。写本の説明・分析、作品のスタイル、典拠、作者・読者等についてのイントロダクションと注釈・語注を付した。 掲載誌Mediaeval StudiesはToronto大学Pontifical Instituteの出す学術雑誌であるが、学術校訂論文はラテン語文献に限られていた。本稿は初めてMedieaeval Studiesが掲載した英語文献の本文校訂論文である。 本テキストを収めたCambridge大学、Magdalene College、ピープス図書館写本2125は50編以上の宗教文献で構成されているが、14世紀末から1世紀以上を掛けて完成した。他の写本で発見されていないテキストや特殊なヴァージョンが多く、本作品も他写本に見つかっていない。
  • 大阪産業大学論集 人文科学編, 98(98) 27-46, 1999  
    現在に伝わっている中世古写本の性質、内容について紹介し、その上で未だに一般研究者にはアクセスの乏しい状況で残っているマイナーな文献に関し、特に宗教文献が当時の民衆の精神史を反映していること、あるいは大衆の精神文化を作り上げていたことを示しているということを論じた。キリスト教に色濃く染まっていた中世についてのいかなる研究も、こうした民衆レベルの教化運動を伝えるマイナーな宗教文献を軽視してはならないと言える。
  • Reading Medieval Studies, 24 95-112, 1998  Peer-reviewed
    1215年のラテラノ公会議で万人に年1回の告解が義務づけられたのをきっかけに、全ヨーロッパ的に民衆とその教化にあたるべき教会関係者の大々的な教育が行われ、多くの宗教文献が書かれた。本稿では、文学作品との比較により、これに固有と思われてきた複数のモチーフや比喩が実は一般信徒を対照として書かれた宗教文献に見出されることを指摘し、文学研究においてもその土壌となった文化的背景を正しく知ることが重要であることを述べた。

Misc.

 22
  • Studies in Medieval English Language and Literature, No. 23(pp. 77-84), 2008  
    編者Paul Strohmは、これまで顧みられなかった作品にも光をあて、未開拓の、あるいは議論が熟していない領域に踏み込むことを目的とし、執筆陣もあえて斬新で自由な発想を持つ研究者を集めた。研究対象、批評理論、研究者のオーソリティ、キャノンの問題点や限界に切り込みを入れる大胆さ、新しい視点、新進の研究者を起用する柔軟な姿勢が全編を貫いている。全編を通じて様々なアングルから繰り返される主張の大前提は写本であり、中世文化の「流動性」である。
  • TAGUCHI Mayumi
    Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, 116 279-93, Jun, 2005  
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, 115 109-28, Feb, 2005  
  • TAGUCHI Mayumi
    Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, 114 135-61, Oct, 2004  
  • TAGUCHI Mayumi
    Journal of Osaka Sangyo University, 113 201-217, Jun, 2004  
  • 『英語青年』 研究社, (pp. 762-63), Mar, 2004  Peer-reviewed
    中世末期英国の女性神秘家マージェリーによる『マージェリー・ケンプの書』は、口述筆記によるため3人称表記になってはいるものの、英語で書かれた最初の自叙伝であり、当時の一般市民の生活についての重要な資料でもある。しかし、整理された書物ではないので、原書は読みにくく、わかりにくい点も多い。これを久木田氏は、マージェリーに立ち代り、時間の流れに沿って、あるいはテーマ別に整理し、さらに中世カトリックの祝祭や典礼の実際、また、中世後期において民間の信仰の大きな要となった聖人伝やこれを視覚的に表現した宗教美術とをマージェリーの霊的成長と関連づけることで、彼女の「黙想の旅」を真正の神秘体験として見事に説明している。
  • TAGUCHI Mayumi
    大阪産業大学論集 人文科学編, 112 95-118, Feb, 2004  
    The first translation of Nicholas Love's Mirror of the Blessed Life of Jesus Christ
  • 大阪産業大学論集 人文科学編, 107(107) 1-22, Jun, 2002  
    MS Pepys 2125, Magdalene College, Cambridge, is a late medieval compilation of devotional literature. The author introduces the content and the characteristics of the manuscript in relation with other similar well-known manuscripts and discusses a penitential treatise in it particularly with regards its intended audience.
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, 101(101) 1-14, 2000  
    ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ蔵、写本Pepys2125に収録された作品のうち、50番「復活祭の説教」(Easter Sermon) を写本から転写し、校訂したものである。この説教論文は、大英図書館蔵、写本Harley2398写本に類似のコピーが現存する他断片で2つの写本に残っていることから、当時はかなり流布していたと想像される。聖餐の秘跡を神の晩餐とし、マタイ伝の婚宴のたとえ話(22:1-14)に絡めて、その際に身につける衣服の清浄と品格を、「信仰」の比喩として展開している。
  • Studies in Medieval EnglishLanguage and Literature, No.14(pp. 139-46), 1999  Peer-reviewed
    Ralph Hannaは写本文献の校訂に関する世界的第一人者である。印刷技術の発明以前におけるテキストの伝播過程は流動的で、現代の印刷本なら当たり前の著作権の認識も非常に希薄であった。そうした中世の書物の生成過程における事実に立脚したHannaの写本校訂に関する理論は厳格である。彼の長年の研究成果をまとめた書物Pursuing Historyの書評を行った。
  • Studies in Medieval English Language and Literature (日本中世英語英文学会), 14 139-46, 1999  Peer-reviewed
  • 『英語青年 』, (pp. 42-43), May, 1998  Peer-reviewed
    煉獄は、地獄の恐怖をかざして民衆の教化を進めた中世キリスト教環境において、天国と地獄の緩衝地帯として登場した中世の発明である。現世での罪の深さに応じて煉獄への滞在年数が決まるが、これを残された者たちが代わりに軽減できると考えたため、死者のために捧げるミサや慈善事業が数量化されるようになった。これを起源から発展過程、その影響まで多くの資料に基づき論じた、慶応大学文学部教授松田隆美氏の著著の書評である。
  • 『英語青年 』, (pp. 42-43), May, 1998  Peer-reviewed
    煉獄は、地獄の恐怖をかざして民衆の教化を進めた中世キリスト教環境において、天国と地獄の緩衝地帯として登場した中世の発明である。現世での罪の深さに応じて煉獄への滞在年数が決まるが、これを残された者たちが代わりに軽減できると考えたため、死者のために捧げるミサや慈善事業が数量化されるようになった。これを起源から発展過程、その影響まで多くの資料に基づき論じた、慶応大学文学部教授松田隆美氏の著著の書評である。
  • 田口まゆみ
    日本中世英語英文学会ニュースレター, No.24(pp. 9-10), 1998  Peer-reviewed
    現存する中世古写本について所収作品の整理はすでにしつくされたという印象がある一方、かなりの数のマイナーな宗教散文が、未整理・未研究のまま残っている。そうした宗教散文が単独では価値が低い場合でも、当時流布していた作品には違いなく、人びとが共有していた思想や文化を知る手掛かりとなる。アングロ・フレンチ文献のさらなる研究も含め、小品群の研究が中世文学研究上、大きな鍵を握っていることを指摘した研究ノートである。
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities 大阪産業大学論集 人文科学編, 95(95) 9-26, 1998  
    中世古写本の中には、校訂・印刷されないままに残っている文献がまだ多数ある。そうしたマイナーな文献がこれまで看過されてきた理由、そして歴史、社会、文学研究において今後果たしうる可能性について、ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ蔵、写本Pepys2125に収録された「十字架伝説」を素材にして論じた。まず「十字架伝説」の内容と系譜について解説し、Pepys版と同系譜の異本との比較し、また、同写本を用いて、当時の英語の多様性についてデータを示して論じてゆく中、こうしたマイナーな文献から明らかになる様々な背景事項があることを示した。
  • 大阪産業大学論集 人文科学編第89号, 89 17-28, May, 1996  
    キリストの磔刑に使われた木を原罪をもたらした木とつなげる十字架伝説は、多くの聖人伝などと共に中世ヨーロッパ全域で広く愛され、ラテン語で流布した他、各国言語に翻訳され、転写が繰り返された。中世英国においては、ラテン語版の他に、フランス語版と英語版があり、英語版の存在は読者、聴衆の層の広さを示している。翻訳・転写が繰り返される過程で当然テキストの異同が生じ、多くのヴァージョンが生まれたが、本稿では、直系でつながる英・仏・ラテン版を詳細に比較し、その違いに現れた聴衆の差違を考察した。
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, 87(87) 1-16, 1996  
    Gawain詩人による宗教詩『清純』(Cleanness)は、たくさんの物語、エピソードから構成されているが、その組み合わせ、展開の必然性が明白でなく、主題との関連も希薄であると批判されてきた。本稿ではそのような一般的見解に対し、一見散漫な物語群が実は一貫した主題のもとに緻密に組み立てられており、あたかも1個の建築物の骨組みを組むように構成されていること、しかも、円環、ジグザグなど視覚的な骨組みを追求していることを論じた。
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities,, (84) 31-40, 1995  
    社会派英国女流作家Miranda Miller(1950~)の作品、 Smiles and the Millenniumについて、主題の解釈に加え、ストーリーの手法の分析を行った。ミラーの手法は、余分な背景を削ぎ落とした、一貫した描写のsimplicityとeconomy にあると言える。特に、舞台の場面転換に似たエピソード展開、舞台道具を想起させる背景描写、主人公を含む登場人物が発話内容によって区別されること、季節や時間が希薄であることなどの手法に着目し、この作品の演劇との類似を指摘し、その効果と主題との関連について論じた。
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, (83) 61-64, 1994  
    名文家として名高いジョージ・オーウェルは、言語について明確な論理・主張を持っており、これを扱ったエッセイもある。一方、彼の代表作『1984年』の中で、人民のマインドコントロールの道具として描かれている新言語‘Newspeak’も彼の言語意識の現れである。オーウェルは、‘Newspeak’によって、この新言語の象徴する思想の弾圧、強制を批判しているわけだが、皮肉にも、この新言語‘Newspeak’が、本質的に、オーウェルが理想とする言語思想を投影している点を指摘している。
  • Journal of Osaka Sangyo University, Humanities, (82) 79-91, 1994  
    中世英詩『清純』(1993)の校訂版への補遺として、特に、解釈上難解な語や文、複数の研究者の間で解釈が異なっている個所、写本の読みについて意見が一致していない個所等について、編者の見解をはっきり表すべく、その根拠とともに示し、詳しく述べている。一例をあげると、’gere (gear)’ (l. 16) について、従来のaffairsに対しclothesという解釈を示している。理由として、この語の前後に衣服の汚れと罪を関連付ける象徴が使われていること、さらに衣服の象徴は物語を通して重要な役割を果たしているので、この解釈を採用することにより物語の円環構造が教化されることを述べている。
  • 大阪産業大学論集 人文科学編70, Sep, 1990  
    中世英語による長詩Cleannessの註釈および翻訳の第三部である。(一部、二部はそれぞれ産大論集・人文科学編68、69号に記載) 既刊の各エディションのテキスト、註釈、語彙集を照合し、写本のマイクロコピーに基づいたものであり、今回で完結のため、末尾に重要文献集を付した。
  • 大阪産業大学論集人文科学編68・69号, Feb, 1990  
    本稿はCleannessあるいはPurityと呼ばれる14世紀末の英詩を3部に分けて訳出してたもののⅠ部とⅡ部である。(Ⅲ部は70号に掲載)本詩には写本が1本しか残っていないが、その写本のマイクロコピーを定本とし、Ⅱ部では既刊の全註釈書を照合した上で、詳しい註をつけた。訳は、口承文芸であることから、新しい文体による平易な文章を心がけ、註は、テキストワークに関するもの、レファランスとして重要なものを中心としている。

Major Books and Other Publications

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  • Mayumi Taguchi, John Scahill, Satoko Tokunaga (Role: Joint author, entire)
    Oxford University Press, Jul 22, 2021 (ISBN: 9780192847676)
    This is volume II of the first scholarly edition of the Golden Legend, the largest and most elaborate production of the first printer in English, William Caxton. This second volume contains Caxton's most notable addition: a series of Old Testament legends, from Adam to Judith; it contains its own explanatory notes, glossary, and Index of Proper Names. It reproduces Caxton's original text with modern punctuation and capitalization, notes on content, syntax and lexis, a detailed glossary and an index of proper names. The notes provide detailed support for the view that Caxton's text is largely based on the work of an earlier unknown writer in English. They also demonstrate that writer's strikingly independent handling of a variety of sources, including the Latin Vulgate Bible, the Historia scholastica, the French Bible historiale, and the English Cursor mundi and the Wycliffite translation of the Bible.
  • Geoffrey Chaucer, tr. Tadahiro, Ikegami, etc (Role: Joint translator, The Canon's Yeoman's Tale)
    Yushokan, Jul 15, 2021
    This is a new Japanese translation of Geoffrey Chaucer's Canterbury Tales, collaborative work of twenty-four medievalists, each telling a tale or two just as in the original work.
  • Mayumi Taguchi, John Scahill, Satoko Tokunaga (Role: Joint author, entire)
    Oxford University Press, Jul 30, 2020 (ISBN: 9780198867968)
    This is volume I of the first scholarly edition of the Golden Legend, the largest and most elaborate production of the first printer in English, William Caxton. It is an English translation of Jacobus de Voragine's Legenda aurea (ca. 1267), a collection of legends for the feasts of saints (the Sanctorale) and other major days of the liturgical year (the Temporale). The Legenda aurea was one of the most popular and influential books in the later medieval Western world; it circulated widely, and was repeatedly translated into many vernacular languages. This volume reproduces Caxton's original text of the Temporale with modern punctuation and capitalization, notes on content, syntax and lexis, a detailed glossary, and an index of proper names.
  • Mayumi Taguchi, Yoko Iyeiri (Role: Joint author, 言語的解説を除く全体)
    Heidelberg: Universitaetsverlag Winter, May, 2019
    This Middle English prose survives uniquely in Cambridge, Magdalene College, MS Pepys 2125 and has not been previously published. It is one of several Middle English translations of the Passion sequence of the pseudo-Bonaventura Latin _Meditationes vitae Christi_. The Introduction includes an extensive description of the manuscript which is a late medieval devotional miscellany, and a detailed account of the language of the text. It also addresses the textual tradition. The edited text is followed by a commentary, glossary and bibliography.
  • Margaret Connolly, Raluca Radulescu, eds (Role: Contributor, “The Use of Sources in The Historye of the Patriarks and Caxton’s Golden Legend”)
    Turnhout: Brepols, Feb, 2018 (ISBN: 9782503568478)
    中世末期の英文学作品はその多くがラテン語、フランス語の作品の翻訳・翻案である。さらに、中世の作家たちは、複数の作品の訳を統合して一つの作品に作り上げたし、一つの原典作品に対しても複数の言語によるヴァージョンを比較しつつ翻訳を行った。よく認知されていないこの事実を、聖書物語を扱った二つの作品について詳細に解説・証明し、さらに俗語聖書が禁じられていた15世紀イギリスの文化的背景に照らし合わせて論じた
  • Stephen Kelly (Queen's, Univ Belfast, Ryan Perry, Ke, Denise Despres, Univ of Puget Sound, Maureen Boulton, niv of, Notre Dame, Mary Dzon, iv, of, T, Knoxville, dlsns Villalobos Hennessy (City, Univ of New York, Rachel Canty, David Griffith, iv of Bi, m, Sheila Sweetinburgh, Univ of Huddersfield, Sarah Macmillan, niv of Birmingham, Daniel McCann, iv of Oxford, Elizabeth Scarborough, Queen's Univ Belfast, Eleanor McCullough, Univ of, York, He
    Turnhout: Brepols, Jul, 2014
    ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館蔵の写本2125に収録されている「キリストの受難の黙想」は偽ボナヴェンチュラ作『キリストの生涯の黙』の受難部分の中英語訳である。本論は、このテキストの校訂版準備の一環として(上記5と同じくMiddle English Texts シリーズとして刊行されることが決まっている)、テキストの特徴を他の翻訳とも比較しながら検証した。特に、翻訳に使われたラテン語テキストについての調査において、A. C. Peltierが校訂した『キリストの生涯の黙想』(1868)が本文系譜的に近いことを証明した。この見解は、従来、同種の英語訳は、『キリストの受難の黙想』と呼ばれる『キリストの生涯の黙想』の抜粋版をもとに作られたとする解釈を覆し、さらにこのラテン語抜粋版『キリストの受難の黙想』が単一の系譜を持つものではなく、別々に同じ衝動のもとに発生したものであることを示唆する見解として評価された。
  • Simon Horobin, Oxford Univ, Linne R. Mooney, Timothy Graham, niv, of, New Mexico, Richard Firth Green, Ohio State, Uni, Carrie Griffin, iv of, B, Gareth Griffith, iv, of, Phillipa Hardman, Univ of Reading, John C. Hirsh, Georgetown Univ, Terry Jones, independent scholar, Takako Kato, M, Mary Morse (Rider Univ, James J. Murphy, Univ of California, Davis, Natalia I Petrovskaia, niv, of, Cam, Susan Powell, Salford University, Ad Putter
    York: York Medieval Press, Jul, 2014
    ケンブリッジ大学、モードリン・コレッジ、サミュエル・ピープス図書館蔵、写本2125は、14世紀末から15世紀末までの100年間に再製本や文献の追加・削除が行われ現在の形になった。宗教的文献のコンピレーション写本であり、収録されている文献の数は、図書館カタログによれば52である。恐らく初め個人に所有されていたことが原因であると考えられるが、後継の写本が残っておらず(つまりこの写本からコピーされた文献が知られていない)、従ってこの写本にのみ現存するヴァージョンや文献がほとんどである。筆者は写本の形状的特徴(materiality)を初め、収録された文献の特殊性を精査し、この写本が形成されていった過程とその文化的背景について詳細な分析を行った。
  • Richar Dance, Cambridge University, Laura Wright, Cambridge University, Javier Calle Martin, iversity of Malaga, Spain, David Moreno Olalla, iversity of Malaga, Julia Fernandez Cuesta, Luisa Garcia Garcia, J. Gabriel, A. Carredano, Seville University, Gabriella Mazzon, rsity of Cagliari, Hanz-Jurgen Diller (Ruhr, University, Bochum, Cynthia Allen (Australian National University, Ewa Ciszek, Adam Mckiewicz, University, Poland, Maria Jose Carrillo-Linares, E. Carrido-Anes (Role: Contributor, "Devotional Terms and the Use of the Bible in Nicholas Love's Mirror of the Blessed Life of Jesus Christ”)
    Frankfurt am Main: Peter Lang, 2012 (ISBN: 3631628757)
    It looks closely at the frequency and distribution of key devotional words and phrases in Love's Mirror: the phrase 'devout imagination' (often understood as being particularly characteristic of the text), and other words relating to affective and edifying functions, notably 'stir' (in the context of rousing intense emotions), reason, open, edify, profit, fruitful, example, ground(ed) and their derivatives. It also looks carefully at Love's use of scriptural references and quotations. The whole survey enables one to understand better the place of Love's text, and its purposes, in the context of the language employed by Lollard and anti-Lollard treatises. It concludes that Love was more interested in his edificatory goal than his meditative one, and relates his use of 'verbal iconography' to a picture Bible, or Book of Hours.
  • Mayumi Taguchi
    Heidelberg: Universitätsverlag, Winter, 2010 (ISBN: 9783825357504)
    This is an edition of Cambridge, St John's College MS G.31, the only witness to the Historye of the Patriarks. It is an often boldly idiomatic vernacular translation of a portion of the Bible from a period when the ‘Oxford Constitutions’ still had influence. This edition presents the English text in parallel with the Latin Historia Scholastica, the Old French Bible Historiale, and the Vulgate, the three main sources. The Introduction discusses the nature and significance of this translation in terms of the religious climate of the fifteenth century and in relation to its various sources.
  • 高宮利行, 松田隆美編 (Role: Contributor)
    雄松堂, Dec, 2008
    Gawain詩人の項目を担当。ただし、近年の研究動向については松田隆美氏が執筆。 本書は中世文学の原典を読み、調査するために必要な基本情報を網羅して若い研究者の育成に寄与することを目的としたガイドブックである。中世イギリス文学の作品を主要作家やジャンルごとに解説して、主要なテクストの校訂版と研究書、さらに最近の研究動向も紹介している。英語以外の中世ヨーロッパ文学、宗教史、美術史、書物史などの関連分野論文、近代以降のイギリス中世文学受容の歴史も収録し、文学作品と歴史的事件を対比させた分かりやすい年表も付している。

Presentations

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  • Mayumi Taguchi, resider)John Scahill(discussion presider), Panelists, Shoko Ono, Janet Burton, Hideshi Ohno、Margaret Connolly, Yoko Iyeiri, William Marx, Satoko Tokunaga, Keiko Ikegami, Yoshiyuki Nakao, Akiyuki Jimura
    Editing and the Interpretation of Texts: Past, Present and Future Practices: Part 2, Dec 8, 2019, Project “Editing Caxton’s Golden Legend, vols 1 & 2” (Grant-in-Aid for Scientific Research (B) 15H03190) & Kyoto University  Invited
    ‘How Editing Monastic Foundation Narratives Uncovers their Meaning and Purpose’ Janet Burton (Univ. of Wales; Professor of Medieval History、Joint General Editor, Journal of Medieval Monastic Studies) ‘Choices Editors Make and their Consequences’ Margaret Connolly (Univ. of St Andrews; general editor of the Middle English Texts) ‘The Middle English Texts series (Heidelberg): Aims and Objectives’ William Marx (Uiv. of Wales; general editor of Middle English Texts, Councilof the Early English Text Society)
  • Mayumi Taguchi, resider)John Scahill(discussion presider), Panelists, Shoko Ono, Janet Burton, Hideshi Ohno、Margaret Connolly, Yoko Iyeiri, William Marx, Satoko Tokunaga, Keiko Ikegami, Yoshiyuki Nakao, Akiyuki Jimura
    The Japan Society for Medieval English Studies, the 35th Congress, Nov 30, 2019, The Japan Society for Medieval English Studies  Invited
    Project “Editing Caxton’s Golden Legend, vols 1 & 2” (Grant-in-Aid for Scientific Research (B) 15H03190) hosted an international symposium on editing medieval texts, inviting three Japan-based editorial teams (Ancrene Wisse, Canterbury Tales, Meditations on the Passion of Christ) as well as three specialists from the UK: Prof . William Marx (General Editor of the Middle English Texts series, Council member of the Early English Text Society), Dr . Margaret Connolly (General Editor of the Middle English Texts series) and Prof . Janet Burton (General Editor, Boydell and Brewer, Monastic and Religious Orders series). This symposium proposed the theme that “editing” a manuscript or incunable text is inseparable from “interpretation”.
  • Mayumi Taguchi
    Early Book Society Sixteenth Biennial Conference, Jul 8, 2019, Early Book Society
    This paper discussed the mix condition of the original setting and its partial reset in Caxton's Golden Legend particularly in context of publication and reception of biblical stories in fifteenth-century England. In relation to its reception, damages made to some woodcut illustrations were discussed as regards how the recipients read a biblical book like this.
  • Mayumi Taguchi, Satoko, Tokunaga
    The New Chaucer Society 2018 Congress, Jul 12, 2018, The New Chaucer Society
    Transcription Now is to 'experience' Transcription then. It is to follow and copy what scribe did, letter by letter, word by word, and to learn about the text from the viewpoint of the scribe/ It is a slow and careful reading, through which we can more easily envisage procedures of copying a text and understand better why and how variants could occur. Our paper discussed the same sort of reading procedure is essential and useful in the study of early printed book.
  • Mayumi Taguchi, Satoko Tokunaga
    Twenty-First Biennial International Congress of the New Chaucer Society, Jul 12, 2018, New Chaucer Society
    We are preparing a critical edition of Caxton's Golden Legend for the EETS. In this paper we have presented various issues concerning the roles of the compositors, correctors, and editors of early printed books that had arisen in the course of our study of the Golden Legend.

Other

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研究テーマ

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  • 研究テーマ(英語)
    14・15世紀の宗教文学と一般信徒の信仰:写本文献の伝播と変容に基づく研究
    キーワード(英語)
    西欧中世、宗教文献、敬虔主義、写本研究、初期印刷本
    概要(英語)
    主に15世紀の写本文献を中心に、同じ写本に収録された文献の種類と配列順序なども合わせて考察することにより、当該の文献や写本の受容者像を考察する。ヨーロッパ全域の文化的背景も考慮する。
    研究期間(開始)(英語)
    2012/04/01
    研究期間(終了)(英語)
    2015/03/31
  • 研究テーマ(英語)
    ウィリアム・キャクストン訳『黄金伝説』に挿入された聖書訳
    キーワード(英語)
    15世紀、英国、聖書、黄金伝説、キャクストン、初期刊行本
    概要(英語)
    ウィリアム・キャクストン訳『黄金伝説』に挿入された聖書訳の典拠研究。また、15世紀後半の英訳聖書の受容について考察する。校訂本を計画中。
    研究期間(開始)(英語)
    2013/03/01
  • 研究テーマ(英語)
    ピープス図書館写本2125番に関する研究
    キーワード(英語)
    写本、15世紀、校訂、宗教文献、コンピレーション
    概要(英語)
    後期中世の宗教文献コンピレーション写本の中でも特に特異なヴァージョンを多く収録するこの写本の内容と特徴を詳細に述べ、15世紀英国の宗教文化の特性について考察する。この写本中の未刊行の文献を校訂・出版する。
    研究期間(開始)(英語)
    1994/03/01
  • 研究テーマ(英語)
    後期中世英国における宗教文献の伝播について
    キーワード(英語)
    写本研究,宗教,中世イギリス
    概要(英語)
    後期中世英国、特に14-15世紀における宗教文献の伝播について、 写本研究を通して考察を加える。
    研究期間(開始)(英語)
    1995/04/01
  • 研究テーマ(英語)
    ニコラス・ラヴ『イエス・キリストの生涯の生涯の黙想』
    キーワード(英語)
    15世紀、聖書、黙想、キリストの生涯、ウィクリフ、ロラード
    概要(英語)
    聖書の英訳が禁止されていた15世紀英国における同書の目的、影響などを考察する。邦文訳も進行中である。
    研究期間(開始)(英語)
    2004/01/01
    研究期間(終了)(英語)
    2010/12/31
  • 研究テーマ(英語)
    Historye of the Patriarks (Cambridge, St. John's College, MS G.31): 中英語による『創世記』訳の校訂・刊行
    キーワード(英語)
    15世紀、聖書、中英語、創世記、聖書注釈、ペトルス・コメストル
    概要(英語)
    Historye of the Patriarksを典拠とパラレルに並べた校訂本を出版した。
    研究期間(開始)(英語)
    2003/10/01
    研究期間(終了)(英語)
    2009/11/30
  • 研究テーマ(英語)
    後期中世:個人主義の萌芽 ― 内省的信仰形態の発展に見る認知的特徴
    キーワード(英語)
    黙想、民間信仰、15世紀、ニコラス・ラヴ、キリストの生涯
    概要(英語)
    15世紀英国で一般的であった信仰形態を、その認知に関わる表現の特質を脳神経学的に分析し、どうして抑圧の世紀15世紀に、続く改革の時代の準備が整っていったかを考察した。
    研究期間(開始)(英語)
    2007/04/01
    研究期間(終了)(英語)
    2012/07/31