福岡教育大学大学院教職実践専攻年報第8号 (8) 25-30 2018年3月
本研究は,アドラー心理学を学ぶことを,本教職大学院の学修として位置づけることができるかを探るために,コルトハーヘンらが提唱するリアリスティック・アプローチによる教師教育との親和性と,学校教育の常識から離れて教育について問い直すことに役立つかという2つの視点から行った.まず学部卒院生に対する90分間の授業でアドラー心理学を扱った授業実践を行い,その結果を踏まえて,アドラー心理学に関心をもつ院生を対象とした勉強会での教育談義を行った.その結果,院生らは学校教育の常識との違いに戸惑いながらも,自分の考えや見方が広がったと発言し,本教職大学院の学修として位置づけることが可能だとわかった.