Curriculum Vitaes

Takeshi Fujinaga

  (藤永 壯)

Profile Information

Affiliation
Professor, Faculty of International Studies, Department of International Studies, Osaka Sangyo University
Degree
文学修士(京都大学)

Researcher number
00247876
J-GLOBAL ID
200901086519298937
researchmap Member ID
1000107816

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Papers

 18
  • 歴史学研究, (968) 35-44, Mar 15, 2018  Peer-reviewedInvited
    朝鮮高級学校に対する「高校無償化」制度からの排除に抗議して、大阪、愛知、広島、九州、東京の五つの朝鮮高級学校の生徒あるいは学校法人が国を相手に訴訟を起こしている。このうち2017年に広島、大阪、東京の3地方裁判所で判決が宣告され、大阪地裁では原告が全面勝訴したものの、広島と東京では原告敗訴判決が言い渡される正反対の結果となった。本稿ではこれら裁判の判決内容を紹介し、その意義や問題点を指摘した。
  • 人権と生活, (44) 6-12, Jun 1, 2017  Invited
    大阪朝鮮学園が大阪府と大阪市に対して補助金交付の再開を求めた裁判において、大阪地裁は2017年1月、原告敗訴の判決を言い渡した。判決は、被告大阪府が主張する《橋下徹前大阪府知事による「四要件」は、「大阪府私立外国人学校振興補助金」制度創設当初より、この制度に内在していた「一条校に準じる」という要件を明確化したもの》という筋書きを支持したのである。しかし大阪府が振興補助金を交付しはじめたのは、①設置者が学校法人、②日本社会の構成員としての教育をも実施、③「内なる国際化」推進のための教育機関整備、などの理由とあわせて、教育の機会均等実現を求める朝鮮学校関係者の交渉努力が実を結んだのではないかと思われる。したがって制度創設当初より「一条校に準じる」という要件が内在していたとは考えられない。
  • 藤永壯, 高正子, 伊地知紀子, 鄭雅英, 皇甫佳英, 高村竜平, 村上尚子, 福本拓, 高誠晩
    大阪産業大学論集人文・社会科学編, 28(28) 167-191, Oct, 2016  
    在日の済州島出身者に、解放直後の時期を中心とした生活体験を語っていただくインタビュー調査の16回目の記録の後半である。
  • 藤永壯, 高正子, 伊地知紀子, 鄭雅英, 皇甫佳英, 高村竜平, 村上尚子, 福本拓, 高誠晩
    大阪産業大学論集人文・社会科学編, 27(27) 101-123, Jun, 2016  
    在日の済州島出身者に、解放直後の時期を中心とした生活体験を語っていただくインタビュー調査の16回目の記録の前半である。
  • Ijichi Niriko, Ko jeong ja, Fujinaga Takehi
    Korean Studies, 2(2) 117-131, Jun, 2014  Peer-reviewed
    韓国・済州島のある村の住民たちの日本への渡航、定着、往来などの経験を記録した。本稿では家族に着目することによって、個々人の渡日に至る背景、ネットワーク、移動時期などの重層的な関係を明らかにしようとした。
  • Hwan Dong Hae Review, 9(1) 5-36(ハングル), 37-65(日本語), Apr, 2013  
    本稿では1960年代後半に、日本の政府・保守勢力が成立させようとした外国人学校制度案に焦点を当て、その思想と政治的攻防の過程を描いた。日韓国交樹立を契機に立案されたこの制度には、朝鮮学校が「反日教育」を行っていると警戒し、民族教育を治安問題ととらえるこれら勢力の差別と偏見に満ちた認識が端的に表現されていた。しかしこの制度は、野党、日教組、学者・知識人・文化人、学生、そして一般市民の間に広範な反対勢力が形成されたことによって成立が阻止されたのである。
  • Rekishigaku Kenkyu(Jounal of Historical Studies), (902) 16-24, Feb, 2013  Peer-reviewed
    Repeated assertions that view Korea school as dangerous have served to legitimize discriminatory policies and reproduced the concept of the assimilation education from the prewar through the postwar era. The present policies to exclude Korean schools form the elimination of high school tuition fees and to abolish subsidies toward them have also taken over policies based on the colonialist ideology of discrimination and assimilation.
  • Joseishigaku: The Annals of Women's History, (22) 16-32, Jul, 2012  Peer-reviewed
    紡績工は済州島出身女性の日本における最も代表的な職業であり、その多くは大阪府の南部地方で就業していた。当時の済州島出身女工の労働・生活環境は過酷なものであり、階級意識に目覚めた女工たちが、労働条件の改善を求めて争議を起こす場合もあった。済州島出身女性の血のにじむような労働は、大阪の、そして日本の産業構造を支える底辺の一翼を担っていたのである。(『済州女性史II―日帝強占期―』済州発展研究院、2011年、掲載論文の日本語訳である。)
  • The Journal of Korean History, (153) 281-309, Jun, 2011  Peer-reviewed
    戦後日本において、朝鮮人・台湾人は「第三国人」という特異な呼称で呼ばれた時期があった。朝鮮人を日本社会の秩序を乱す存在とみなす認識は、「第三国人」という言葉が報道などで使用されることによって、不当に誇張、宣伝され、従前からの差別意識と結びつきながら、日本人の集団的記憶の中に沈殿していった。この言葉によって作り出された朝鮮人に対するイメージは、新たな差別語を生み出す土壌として今も生き続けている。
  • 4・3と歴史, (9・10合本) 153-176, Dec, 2010  
    朝鮮人の日本への「密航」の状況と、それに対する日本政府の対応策を全般的にたどったうえで、インタビュー調査結果から読み取れる済州島民の「密航」の様子や、渡日後の生活状況などを整理して紹介した。
  • Journal of Historical Studies, (872) 10-19, Oct, 2010  Peer-reviewed
    本稿では、韓国において「親日」行為真相究明の取り組みが提起され、推進されるに至った歴史的事情を概観したのち、具体的な作業の進行過程やその成果を『親日人名辞典』や政府報告書での記載内容などを通じて紹介した。そのうえで「親日」清算をめぐって、韓国や日本のマスコミなどで繰り広げられた議論を取り上げ、その意味を検証した。
  • 情況, 3-6(9) 70-83, Oct, 2005  
    韓国社会における過去清算の意味、内容、歴史的過程を概観した。過去清算の射程は、植民地支配に関わる諸問題にとどまらず、解放後の朝鮮戦争期や権威主義政権の時期に発生した暴力・虐殺・人権蹂躙などの事件も積極的に問題化されてきた。それは過去清算の目的が、何よりも韓国社会の民主主義を発展させるところにあったからと言える。そして2005年5月、韓国の国会では「真実・和解のための過去事整理基本法」が通過し、近現代史上のさまざまな民衆弾圧・虐殺事件を包括的に清算する方向が示されたのである。
  • 二十世紀研究, (5) 13-36, Dec, 2004  Peer-reviewed
    植民地朝鮮における日本の公娼制度は、1916年の「貸座敷娼妓取締規則」をはじめとする一連の接客業取締規則の制定を契機に確立した。従来の朝鮮人接客女性は日本の警察当局が定めた分類にあわせて再編成され、娼妓=公娼以外の「売春」する女性は私娼として摘発の対象となった。また朝鮮社会全般にわたって性風俗意識の「日本化」が浸透し、第1次世界大戦による好景気が接客婦需要の急増をもたらした。こうして誘拐・詐欺などの手段をも駆使しながら接客婦を供給する女性売買のメカニズムが、この時期に形成されていったのである。
  • 歴史批評, (44) 286-308, Aug, 1998  
    近年登場した日本型歴史修正主義の主張に見られる、韓国史認識の問題点を分析した論考である。比較のために、戦後日本政府の見解の変遷、右翼勢力の韓国史に対する見方を紹介したうえで、日本型歴史修正主義の論理、「慰安婦」問題をめぐる論争、自由主義史観研究会の韓国史認識などを検討した。最後に歴史修正主義登場の背景に、現代日本社会の閉塞状況が存在することを指摘した。
  • 朝鮮学報, (141) 1-38, Oct, 1991  Peer-reviewed
    1880年代末、朴琪淙を中心に設立された「汽船会社」の汽船運航事業は、朝鮮において前近代的な水運の枠を乗り越えようとする試図であったと評価できるが、旧来からの商習慣にもとづく利権売却、日本に対する依存傾向など時代的限界性をもはらむものであった。このような朴琪淙の限界は大韓帝国期の鉄道建設計画において露出し、結局彼は日本に鉄道利権を獲得させる仲介の役割を演じることになった。彼の発想をもってしては近代的企業経営はおろか、民族の独立維持という至上の課題にさえ応えられない時代状況を迎えていたのである。
  • 朝鮮学報, (140) 55-86, Mar, 1991  Peer-reviewed
    1880年代末、朴琪淙を中心に設立された「汽船会社」の汽船運航事業は、朝鮮において前近代的な水運の枠を乗り越えようとする試図であったと評価できるが、旧来からの商習慣にもとづく利権売却、日本に対する依存傾向など時代的限界性をもはらむものであった。このような朴琪淙の限界は大韓帝国期の鉄道建設計画において露出し、結局彼は日本に鉄道利権を獲得させる仲介の役割を演じることになった。彼の発想をもってしては近代的企業経営はおろか、民族の独立維持という至上の課題にさえ応えられない時代状況を迎えていたのである。
  • 朝鮮民族運動史研究, (6) 87-135, Dec, 1989  Peer-reviewed
    1932年、海女漁業組合の不正に反対し、自らの生活を擁護すべく展開された済州島海女の示威闘争について検討した。この闘争には、共産党再建をめざす左翼青年たちが関わっていたと推定され、また彼らを介して大阪での在日朝鮮人運動との関係も重要なものであった。この闘争は海女たちの「生きるためのたたかい」であると同時に、前衛と大衆が無理なく出会えた地域闘争でもあった。
  • 朝鮮史研究会論文集, (24) 127-154, Mar, 1987  Peer-reviewed
    日本統治下の朝鮮における、代表的な漁業資本家の漁場経営方式を検討した。この資本家の場合、王族・李堈家の漁場を借り受け、大規模経営をおこなうとともに、その一部を零細な朝鮮人漁民に転貸する地主的な性格をも合わせ持っていた。しかし高額な転貸料は朝鮮人漁民との対立を引き起こし、総督府のイニシアチブにより、李堈家漁場の民間売却という形で解決がはかられたのであった。

Misc.

 55

Books and Other Publications

 35

Presentations

 30

Research Projects

 10

Social Activities

 1

Media Coverage

 1

研究テーマ

 6
  • 研究テーマ(英語)
    日本帝国の支配地域における公娼制度の研究
    キーワード(英語)
    日本帝国,公娼制度,植民地,朝鮮
    概要(英語)
    戦前の日本帝国の支配地域における公娼制度と、朝鮮人接客女性の生活実態を分析することで、 「帝国」日本の性支配システムを明らかにする。
  • 研究テーマ(英語)
    日本軍「慰安婦」制度の研究
    キーワード(英語)
    慰安所,慰安婦,日本軍
    概要(英語)
    日本軍「慰安婦」制度の確立過程を日本の植民地支配との関連のもとに考察する。
  • 研究テーマ(英語)
    解放直後・在日済州島出身者の生活史調査
    キーワード(英語)
    済州島,韓国,朝鮮,日本,4・3事件,大阪
    概要(英語)
    第2次大戦直後の時期における在日済州島出身者へのインタビュー調査を中心に、文献資料には残されていない民衆の視点から見た現代東アジア関係史の一側面を明らかにする。
  • 研究テーマ(英語)
    韓国の「過去清算」について
    キーワード(英語)
    韓国,朝鮮,過去清算
    概要(英語)
    現在、韓国で進められている「過去清算」の事業の歴史的意義を、朝鮮現代史の流れをふまえながら、世界史的な観点から検討する。
  • 研究テーマ(英語)
    現代日本の歴史認識・朝鮮認識について
    キーワード(英語)
    歴史認識,韓国,朝鮮,日本,歴史教科書
    概要(英語)
    歴史教科書問題を中心に現代日本における朝鮮の歴史に対する認識を分析する。
  • 研究テーマ(英語)
    植民地期・解放直後の済州島における民族解放運動・社会運動について
    キーワード(英語)
    済州島,民族解放運動,植民地,社会運動
    概要(英語)
    日本統治下の植民地朝鮮において、とくに大阪と関係の深かった済州島の民族解放運動の展開過程を、 解放後の4・3事件(1948年)や在阪朝鮮人の生活状況などとの関係性を念頭におきつつ検討する。