Faculty of Engineering

波床 正敏

ハトコ マサトシ  (Masatoshi Hatoko)

基本情報

所属
大阪産業大学 工学部都市創造工学科 教授
学位
修士(工学)(京都大学)
博士(工学)(京都大学)

研究者番号
60278570
J-GLOBAL ID
200901086068484413
researchmap会員ID
1000183205

外部リンク

論文

 59
  • 波床正敏, 吉村晟輝
    土木学会論文集D3(土木計画学) 74(5) 991-1004 2019年1月10日  査読有り
    フランスでは 1981 年に TGV が運行開始され,現在までに多くの主要都市に対して TGV サービスが提供 されている.本研究では,フランスの幹線鉄道政策を振り返るとともに,近年の高 鉄道整備に伴う影響 などについて分析するため,TGV 導入前の 1963 年,導入直後の 1985 年,全国展開期の 2005 年の 3 年次に ついて,主要都市間の各種所要時間指標を計測し,その特徴を考察した. その結果,最初の TGV が開通した直後の 1985 年以前では 度向上と乗り継ぎ利便の改善が図られるこ とで総合的な利便性が大きく向上したが,1985 年以後の TGV ネットワークの全国展開期においては 度 は向上したものの乗り継ぎ利便が悪化することが多く,総合的な利便性の改善は小さいことがわかった.
  • 波床正敏
    実践政策学 4(1) 37-46 2018年6月14日  査読有り
    コストを抑えながらも高速鉄道としての一定の水準を確保できる方式として単線新幹線システムが提案されている。本研究では一連の研究の成果を踏まえ、まず、新幹線整備前の表定速度と、各種整備手法の整備単価や整備後の表定速度を用いて基本的な分析をした。その結果、全ての速度域においてスーパー特急方式よりも単線新幹線システムの方が手法が成立しうる旅客数の下限値が小さいこと、整備前の在来線の表定速度が100 km/h程度以下の場合においてフル規格に比べて少ない利用者数でも成立する傾向にあることなどがわかった。また、遺伝的アルゴリズムを使って実際の我が国の幹線鉄道網の中でどのような区間において単線新幹線システムが適用されうるのかを探索した結果、単線新幹線はフル規格線に比べると安価であるものの表定速度が劣るため長距離区間には向かないこと、比較的利用者の少ない短距離の支線的な役割の路線に向いていることなどがわかった。
  • 波床 正敏
    都市計画論文集 52(3) 277-284 2017年10月25日  査読有り
    LRTを特徴づける要素の一つとしてトランジットモールがあり,海外には多数の実例が存在する.しかし,日本ではトランジットモールに対する理解やノウハウの蓄積が充分ではなく,実際にはそうではないにもかかわらず,トランジットモールを導入すると中心街において自動車が完全にシャットアウトされて大変不便になるというイメージが定着してしまっている.そこで本研究では海外のトランジットモールを含む中心街路網の交通規制状況を調査することで,大規模な歩行者ゾーンを形成しながらも自動車によるアクセスも許容されていることを明らかにした.欧州の中心街路ではトランジットモールを一般車両が横切ったり,部分的には実質的にトランジットモールである街路の一部について一般車両の通行を認めたりといったことが行われている.
  • 波床正敏, 向井智和
    実践政策学 3(1) 61-68 2017年7月10日  査読有り
    費用を抑えた新幹線整備の方法として単線の新幹線システムが提唱されているが、整備コストについては詳細が未調査であった。そこで本研究では在来線の建設請負実績資料をもとに単線区間と複線区間とでインフラの種類別に建設単価がどの程度異なるかを調査した。その上で、在来線における単線区間と複線区間との建設単価の比が新幹線用インフラについても同様であるとの仮定の下に、路盤区間、橋梁区間、隧道区間のそれぞれについて新幹線用単線インフラの建設単価を推計した。さらに、単線新幹線システムによる路線全体の費用を試算した結果、ミニ新幹線のように駅部は 既存駅を活用しながらも駅間部分は単線仕様のインフラとした場合、フル規格複線が75.9 億円 /km に対して単線新幹線 システムは 48.3 億円 /km となり、フル規格に比べて 36.3 % コストを低減できることがわかった。
  • 根津佳樹, 藤井聡, 波床正敏
    実践政策学 2(2) 175-186 2016年12月25日  査読有り
    我が国で各種新幹線整備が進められ、今後も北陸、リニア中央新幹線の整備などが行われる予定である。全国新幹線鉄道整備法にて計画された路線のうち、東京を発着する5路線はすべて整備済み、もしくは整備予定である。一方、大阪を発着する6路線は2路線のみ整備済みで、整備予定のリニア中央新幹線も東京方よりも18年遅れての開業予定であり、北陸新幹線は未定である。また、山陰、四国新幹線については、現時点で具体的な整備計画が一切策定されていない。こうした東西地域における整備状況の違いは、各地域の経済へ影響もたらしたとも解釈できる。そこで本研究では、筆者らが既存のマクロ経済モデルを援用し構築した経済シミュレーションモデル MasRACを用い、大阪を中心に西日本地域にて新幹線整備を今後進め、東西地域間の新幹線整備差を解消することで、東西の経済状況ははどのようになるかシミュレーションを行った。

MISC

 26

書籍等出版物

 6
  • 塚本直幸, ペリー史子, 吉川耕司, 波床正敏, 伊藤雅, 南聡一郎 (担当:共著)
    技報堂出版 2019年3月16日 (ISBN: 9784765544863)
  • 塚口博司, 塚本直幸, 日野泰雄, 内田敬, 小川圭一, 波床正敏 (担当:共著)
    オーム社 2016年4月 (ISBN: 9784274218668)
    交通システムを解説した教科書
  • 波床正敏
    運輸調査局 2012年9月
    欧米の高性能路面電車としての「ライトレール」が日本に紹介されてから30年以上が経過し,高度な都市交通システムとしてのLRTが紹介されて20年ほどになる.だが,低床式車両の導入は幾分進んだものの,本格的な都市交通システムとしてのLRTが導入されるまでには至っておらず,「道遠し」といった状況にある.本稿では,都市交通としてLRTがどのような優位点を持っているか,今後,LRTはどのように導入するのが適当かといったことなどついて述べた.
  • 青山吉隆, 伊藤 雅, 小谷通泰, 柄谷友香, 酒井 弘, 塩士圭介, 鈴木義康, 谷口 守, 塚本直幸, 波床正敏, 松中亮治, 山中英生, 義浦慶子, 吉川耕司, 吉田諭史 (担当:共著)
    学芸出版社 2008年 (ISBN: 9784761540821)
  • 青山吉隆編 (担当:共著)
    丸善 2001年10月

講演・口頭発表等

 43
  • 波床 正敏, 中村建世, 湯河孝允
    第58回土木計画学研究発表会 2018年11月25日 土木学会
    スペインでは標準軌の高速新線の開通にあわせて1992年にAVEが運行開始され,在来線改良や広軌在来線と標準軌新線の直通列車なども併用しながら,年間約125kmのペースで高速新線建設が続けられてきた.本研究では,このような路線整備の影響を分析するため,1963年以降概ね10年ごとに2015年までの6年次について,主要都市間の各種所要時間指標を計測し,その特徴を考察した.その結果,特に1985年以降は運行頻度や乗り継ぎ利便性向上にやや課題を残しながらも,乗車時間に加えて待ち時間や運行頻度を考慮した総合的な利便性の面で国内主要都市間の多くの区間で利便性向上を果たしてきたことがわかった.これはTGV主体のフランスと異なる結果であり,その差は年間の建設距離が大幅に多いことが原因と考えられる.
  • 波床 正敏
    第57回土木計画学研究発表会 2018年6月9日 土木学会
    欧州のLRTはトランジットモールでは低速走行,市街地を抜けると高速走行できると紹介されるが,実際にどのような走行環境の時にどのような速度で運転されているのかは明確ではない.昨年度は,日本の路面電車の走行状態について調査を実施したが,本研究では欧州のLRTの走行速度をGPSを用いて調査し,走行環境(リザベーション方法,専用通路設置,交差点配置,etc…)と走行速度の関係分析を試みるものである.また,類似交通機関であるBRTについても調査を行って同様の分析を試みる.LRTの速度調査はカールスルーエ,ザールブリュッケン,ストラスブール,フライブルクを対象とし,BRTの速度調査はメス,ナンシー,ストラスブールを対象とした. 本研究の調査結果と昨年度の調査結果を比較することにより,日本の路面電車の走行環境関する改善点を具体的に明らかにすることができると考えられる.
  • 波床 正敏
    第56回土木計画学研究発表会 2017年11月4日 土木学会
    国土計画ではしばしば「多様」が重要概念として取り上げられるが,多様に関する十分な分析は行われていない.本研究では全国的な交流パターンの多様性が地域の長期的発展に与えた影響を分析することを一連の研究の最終目標としつつ,1898年以降の8年次について交流パターンの多様性の長期的変化を計測し,関連する分析を行った. 分析の結果,戦後の高速交通出現初期では都道府県別の交流量と交流先の多様度に明確な関係はなかったが,高速交通の整備が進行するに伴い,交流量が多くて多様度の高い大都市圏,交流量は中程度で多様度の低い地域,交流量が少なくて多様度の大きい地域に分かれることがわかった.また,交流の多様度と就業者の多様度に正の相関があること,交流量と高次産業就業者の多様度にも正の相関があることがわかった.
  • 波床正敏, 吉村晟輝
    第56回土木計画学研究発表会 2017年11月3日 土木学会
    ドイツでは高速新線NBSの開通にあわせて1991年にICEが運行開始され,在来線の改良区間も活用しながら,現在ではほとんどの主要都市に対してICEのサービスが提供されている.本研究では,ドイツにおける高速新線の建設および幹線鉄道改良に伴う影響などについて分析するため,日本の東海道新幹線開業とほぼ同時期の1963年以降概ね10年ごとに2015年までの6年次について,主要都市間の各種所要時間指標を計測し,その特徴を考察した.その結果,広域的には東西ドイツの統一が都市間の所要時間変化に大きな影響を与えていること,東西ドイツ統一以前は速度向上と運行頻度や乗継ぎ利便性向上がともに行われていたが,近年は運行頻度や乗継ぎ利便性向上が重点的に実施されていることがわかった.
  • 波床正敏, 伊藤雅
    第55回土木計画学研究発表会 2017年6月10日 土木学会
    欧州のLRTはトランジットモールでは低速走行,市街地を抜けると高速走行できると紹介されるが,実際にどのような走行環境の時にどのような速度で運転されているのかは明確ではない.一方,日本の路面電車の走行環境を改善するにあたって,欧州のLRTを参考にするならば,具体的にどのような箇所をどのように改善すれば効果的かという分析が必要になるが,国内の走行状態についても詳しい調査が必要である. そこで本研究では国内の路面電車の走行速度をGPSを用いて調査し,走行環境(リザベーション方法,専用通路設置,交差点配置,etc…)と走行速度の関係について分析するものである.将来的には,海外のLRTについても同様の調査と分析を行うことにより,前述のような日本の路面電車の走行環境の改善点の分析を詳しく行うことができる.

担当経験のある科目(授業)

 1

共同研究・競争的資金等の研究課題

 5

社会貢献活動

 52

研究テーマ

 3
  • 研究テーマ
    交通網整備が地域に与える影響に関する研究
    キーワード
    交通網整備
    概要
    交流
  • 研究テーマ
    都市内交通の改善方策に関する研究
    キーワード
    都市交通
    概要
    LRT
  • 研究テーマ
    交通整備水準を表現する方法に関する研究(地域間交流可能性指標に関する研究)
    キーワード
    交通整備水準,交流可能性,情報システム
    概要
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